筆者はラーメンが大好きです。
暇さえあればラーメン屋巡りに外に出かけるし、好きなラーメン屋に頭を下げてバイトとして働かせてもらったこともあります。
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まかないが出なくて絶望したけどね。
バイトが自分しかいなかったこともあり、厨房に入ることもしばしば。慣れてくるとラーメン作りも一通りさせてもらいました。
そこで筆者が気がついたのが、ラーメンを作る工程における「湯切り」の重要さ。
湯切りはラーメン全体のクオリティに大きな影響を与えます。
そして、一口に「湯切り」といっても、平ザルとテボザルという二種の湯切り用のザルが存在することなど、新たな発見がありました。
普段生活をする上で役に立つ知識ではありませんが、ラーメン屋の調理工程を覗くのがきっと楽しくなる知識です。
今回は、ラーメン作りにおける湯切りの役割、そして平ザルとテボザルの違いについて紹介していきたいと思います。
湯切りとは?
ラーメンの調理工程の1つである湯切り。「ゆきり」や「ゆぎり」と読まれます。
ラーメン屋に足を運ぶ方なら一度は見たことがあるでしょう。
麺を茹でた後にチャッチャするあれです。
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見てて楽しい。
湯切りをする理由には、以下のような働きがあるためです。
麺についた水分を落とす
ラーメンのスープは、カエシ(タレ)とスープの絶妙なバランスで成り立っており、各店舗によって店主のこだわりがあります。
そのスープに麺を茹でたお湯が余分に入ると、スープのバランスが崩れてしまうんですね。
微々たる差じゃないか、と素人は感じますが、湯切りが甘いとマジでラーメンの味が変わります。
筆者が学生時代にラーメン屋でバイトをしていた時、湯切りの甘さから店長にぶん殴られた経験があります。
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訴える手前までいきました。
そのくらい湯切りでどれだけ余計な水分を落とせるかは重要になってくるわけです。
湯切りはラーメンを作る上でもっとも重要な工程と言っても過言ではありません。
麺のぬめりを取る
蕎麦を茹でたあとって麺がヌルヌルしてますよね。
ラーメンの麺も同じで、茹でた直後は麺がヌメヌメしています。
水で洗い流すわけにもいかないので、湯切りの工程でそのヌメリも一緒にふるい落しているんです。
湯切りが甘いラーメンの麺はヌメっとしていてあまり美味しくないんですよね。
パフォーマンス
麺の湯切りを一種のパフォーマンスとして売り出している店舗も多いです。
独特な掛け声とともに無駄に大きな動きで湯切りをしてるお店あるじゃないですか。
Twitterなどで拡散されて話題になり、集客の手段になってるわけです。
ラーメンの味に自信がないから邪道な道に走っているフシもあるので筆者は大嫌いです。
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そんな店全部潰れちまえ。
湯切りの2つ神器
ラーメンを茹でる際に使うザルが二種類あることをご存知でしょうか。
テボザルと平ザルです。
だいたい、どのラーメン屋もこの道具のどちらかを使っています。
形の違うこのテボザルと平ザルですが、その特徴も大きく異なります。
個人的な結論からいえば、平ザルで湯切りをした麺の方が美味しくなります。
平ザルの特徴
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平ザルの見た目はその名の通り、平なザルのようです。
昔ながらのラーメン屋さんなどでよく見かけますね。
平ザルの特徴として、湯切りがしやすいという点があります。
麺が網に接する面積が大きく、お湯を効率的に切ることができるんですね。
麺のお湯がちゃんと切れた方が、スープに茹で汁が入らず、美味しいラーメンになります。
また、平ザルは鍋の中で茹でた麺をザルにすくって湯切りをするので、茹でている間、麺は鍋の中で泳ぎます。
大きな鍋でみんな仲良く茹でられ、麺が均質に茹でられムラがなく美味しく仕上がるわけです。
テボザルの特徴
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一方のテボザルは筒のような形をしたザルです。
流行りのお店だったりチェーン店に多いタイプのザルです。
テボザルの特徴として、「一度に多くの麺を茹でることができる」という点があります。
麺ごとにテボザルがあてがわれるため、ラーメンのオーダーが入るたびに麺を追加で茹でることができます。
また、湯切りがしやすいため、バイトでもすぐに湯切りができるようになるわけです。
しかし、テボザルはザルの中に麺を入れた状態で茹でるので麺がお湯の中を泳ぎません。
麺を箸でほぐさないと麺が固まってるなんてこともあります。
また素人でも湯切りがしやすい反面、お湯の切れが悪いため、しっかり湯切りをしないと余分な水分がスープに入ってしまいます。
そのため、お店の回転率に重点を置いているお店はテボザルを採用していることが多いです。
テボザルが増え続ける理由
上記でテボザルと平ザルの違いについて述べました。
結論、平ザルの方が麺のポテンシャルを最大限に発揮させられることができるわけです。
しかし、最近ではテボザルを採用しているお店が圧倒的に多いんです。
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なんでや…。
平ザルはムラなく麺を茹で、しっかり湯切りがしやすいメリットの反面、湯切りが難しいというデメリットがあります。
また、一度鍋に麺を入れて茹で始めれば、その麺が茹で上がるまで次の麺を入れることができません。全ての麺が一度に茹でられるため、茹で加減や麺の硬さの指定は出来なくなります。
一言でいえば、平ザルは調理の効率が悪いわけです。
一方でテボザルはザルごとに麺を茹でるため、茹で加減もお客によって調節出来ますし、注文が入り次第麺を茹で始めることができます。
麺の仕上がりこそ平ザルに劣りますが、調理を圧倒的に効率的にするのは平ザルなのです。
味と効率化の戦い
これまでの話をまとめると、
・調理の効率に重きを置くテボザル
上記のようになるわけです。
老舗ラーメン屋だったり、頑固親父のようなこだわりを持つ店主がやっているお店は平ザルの割合が多いです。
利益以上に美味しいラーメンを提供することに重点をおいてるわけです。
逆にモダンな雰囲気のお店や、学生街にある繁盛しているお店はテボザルを採用していることが多いです。
特に家系ラーメンやとんこつラーメンではお客によって麺の硬さの注文も異なります。
学生アルバイトを厨房に採用する時もテボザルの方が湯切りがしやすいため、必然的にテボザルを採用するお店が多くなるのです。
しかし、筆者としては平ザルを採用したお店が増えてほしいという思いがあります。
やはり、平ザルで茹でた麺はうまい。うまいし、店主が一つ一つ麺をチャッチャしている姿が愛おしい。
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スープと麺の二つから構成されるラーメンの片方を、調理の効率化のためにテボザルなんかで茹でないでほしい。
いいんですよ、待たせてくれていいんです。有名店だったら店に入るまで30分くらい並ぶんだし、席についてからの数分ー数十分なんてどうでも良いのですよ。
むしろ、その待ってる時間のワクワク感が僕を幸せな気持ちにしてくれるのに・・・ッ!!!
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はい、黙ります。
まとめ
というわけで、ラーメンの湯切りのお話でした。
テボザルと平ザルの違いを知って以来、ラーメン屋に行く際は無意識に使っているザルを見てしまいます。
テボが悪いというわけではありませんが、テボを使っているお店で美味しいラーメンをいただいたときは
「平ザルだったら、さらに美味しいラーメンになるのかも・・・」
という思いをどうしても抱いてしまいます。
あなたの好きなラーメン屋の湯切りザル、どちらでしょうか?