青色の紋章に浮かび上がる「ZEISS」の刻印。
カメラをはじめたての方なら誰もが憧れるであろうカールツァイスレンズ。
これからZEISS(ツァイス)レンズを買おうか迷っている方、レンズを交換しようか考えている方に、カールツァイスレンズの特徴とおすすめのZEISSレンズを紹介したいと思います。
※筆者もZEISSレンズユーザーです。
ZEISSレンズとは
ZEISSレンズは、世界的に有名なドイツの光学機器メーカー「Carl Zeiss(カールツァイス)社」によって開発されたレンズの事です。
一眼カメラ用のレンズから映画撮影用のレンズ、工業製品のレンズなど幅広い製品を取り扱っています。(ちなみに、映画用カメラレンズとしては世界最大手です。)
Carl ZeissはSonyの提携としている事から、一眼カメラ用のレンズとしては主にSonyのEマウント用のレンズが発売されています。後述しますが、一部フジフィルムのXマウントにも対応したレンズも販売がされています。
ZEISSレンズの特徴/4つのシリーズラインナップ
Carl Zeissは現在、ミラーレス用のレンズとして4つのシリーズを展開しています。
Batis・・・35mmのフルサイズに対応するEマウントシリーズ。
Loxia・・・Batis同様35mmフルサイズに対応するEマウントシリーズ。ただしLoxiaはMF(マニュアルフォーカス)のみ。
Touit・・・APS-C用のシリーズ。SonyのEマウントと、フジフィルムのXマウントのレンズがある。
Sony/ZEISSはSonyが開発・生産を行なっており、Carl Zeiss(カールツァイス)からブランドを供与しています。青いZEISSのロゴが刻まれたレンズは、Carl Zeiss認定の品質が保証されたことの証です。
BatisやLoxiaは両方とも35mmフルサイズに対応したレンズ。ソニー純正ではないものの、SonyのEマウントレンズを採用し、マウントアダプター無しでレンズの交換が出来ます。
BatisはAF/MFに対応している一方、LoxiaはMFのみです。動画撮影などにも使いたい方はBatisシリーズがおすすめです。
また、一眼レフカメラ用にはOtusとMilvusというシリーズが展開されています。
Sony/ZEISSシリーズ
SonyとZIESSが共同で開発をするEマウントシリーズ。
レンズの構成によって、
Planar(プラナー)
Sonnar(ゾナー)
Vario-Sonnar(バリオゾナー)
といった頭文字がつきます。
Distagon(ディスタゴン)は広角寄りのラインナップが多く、Plannarは標準域、Soonarは中望遠のラインナップと覚えておくと良いかと思います。
特徴は、レンズの解像力とコントラストの高さ。MTF曲線は高い水準を誇っており、T❇︎(ティーコースター)コーティングを施すことでフレアやレンズの内面反射を抑え、コントラストの高さを実現しています。
Batisシリーズ
SonyのEマウントユーザーであれば誰もが憧れるであろうBatisシリーズ。35mmのフルサイズに対応したレンズです。
描写力、解像力は言わずもがな素晴らしいですが、最大の魅力はなんといってもその造形美。
高級感を醸し出す滑らかな胴体、そしてフォルムレンズ上部に表示される有機ELディスプレイが所有欲を一気に満たしてくれます。
Loxiaシリーズ
Sonyのミラーレスカメラのために設計された35mmフルサイズ対応のレンズシリーズ。
軽量かつコンパクトなつくりで、MFのみに対応しているというのが特徴です。BatisシリーズのようにAFではないため、自分でファインダーを覗いてピントを合わせる必要のあるクラシカルなタイプですが、そこに「写真を撮る」楽しさを見出し愛用するカメラファンも多いです。価格もBatisシリーズと比べると比較的安いのも特徴。(それでも高いですが)
Touitシリーズ
ZEISSレンズの中でもASP-Cに対応したシリーズです。AFにも対応しており、純正のレンズにも劣らないオートフォーカスの速さと精度を誇ります。
解像度・コントラストの高さも、さすがZEISSレンズと言わしめる描写力が特徴です。Sonyのミラーレスだけでなく、フジフィルムのXシリーズにも対応しています。
ZEISSレンズのおすすめを紹介!
ZEISSレンズユーザーでもある筆者が、特におすすめのZEISSレンズを紹介します。(お金に余裕があれば全部欲しい。)
焦点距離の短い順に紹介していきますね。
Batis 2.8/18
18mmという超広角のBatisシリーズのレンズ。対角角度99度まで写すことができ、写真だけなく動画撮影用のレンズとしても人気のZEISSレンズです。フィルター径は77mmと大型感がありますが、重量はわずか350gという軽さ。防塵防滴にも対応しており、多少無理をした撮影にもタイプしてくれます。
Bombo Quarry. My first, and so far only, photo blend. There’s nothing wrong with compositing. But I still feel so dirty…
A7rii + Batis 18/2.8. #milkyway #BeforeRona #HappyPlaces pic.twitter.com/D448tGvqoG— BT (@thoobill) March 30, 2020
見た目の高級感もさることながら、その性能の高さもさすがZEISSといったところ。フローティング機構により、広角レンズで近づいた時に目立つレンズ収差も抑えることができています。
純正のSonyレンズでは、20mm以下の超広角のレンズラインナップがそれほど多くないことからも、このBatis 2.8/18は超広角レンズの選択肢の1つに入ってくるはずです。ほしい。
ZEISS Batis 2/40CF
Batisシリーズ唯一の標準域である焦点距離40mmのZEISSレンズ。 50mmより短く、35mmよりやや長い焦点距離を中途半端に思う方もいますが、逆にいうと両方のいいとこ取りをした画角ともいえます。
さらに、最短撮影距離は24mmとかなり寄ることもできるんです。名前の後ろについているCFはClose Focus(クローズフォーカス)という意味らしく、寄れることも売りの一つになっていますね。
これ一本で街歩きスナップはいい感じに取れてしまう。そんなレンズです。
明日には溶けてそう😌#雪 #荻窪#sonya7iii #a7iii #ミラーレス一眼 #zeiss #carlzeiss #batis40mm #カールツァイス#カメラ pic.twitter.com/O8BmjeQ8Pb
— naokiinoue (@naoinogt) March 29, 2020
Sonnar T* FE 55mm F/1.8 ZA
Sonyユーザーでなくても、一度は聞いたことがあるかもしれません。そのくらい有名なのが55mmのこのZEISSレンズ。
開放1.8という明るさに加え、ゾナーT*の処理が施されたレンズの解像力とコントラストの高さが特徴です。コンパクトなサイズながら、その圧倒的なキレとボケには驚きが隠せません。価格もZEISSレンズの中では比較的安いというのも人気の理由。標準域で使いやすい画角であることからも、カメラ初心者にはおすすめのZEISSレンズです。
イタリア展の展示会場にて撮影
御来場いただいた
Eriko Higashiura さんを撮影させていただきましたわずか、数分の撮影ですが
その存在感に圧倒されてしまいましたCarl Zeiss Sonnar T* FE 55mm F1. 8
焦点工房 TECHART TZE-01 (ソニーE → ニコンZ変換)
NIKON Z6 pic.twitter.com/GLcqWXgT13— HASEO@美しい世界 (@haseo0409) December 25, 2019
唯一欠点をあげるとすれば、最短撮影距離が50cmと被写体に寄ることが出来ない点。街中のスナップやポートレート撮影にはおすすめですが、テーブルフォトには真価を発揮出来ません。
Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS
ZEISSのズームレンズの中では特に人気のゾナー24-70mm F4。
明るさこそF4スタートですが、24-70mmまでの標準域をしっかりとカバーしたズームレンズです。ZEISSの解像力と描写力を備えつつ、手ぶれ補正も搭載され軽量かつコンパクトにまとめられています。
Sonyの純正レンズであるFE 24-70mm F2.8 GMと比べ、価格差は2倍以上あるため、純正レンズには手が届かない! という方におすすめ。軽量で小型ということもありジンバルにも乗せやすく、動画撮影がメインの方にもおすすめのZEISSレンズです。
まとめ
ZEISSレンズの特徴と、おすすめのレンズについて紹介をしました。ZEISSのレンズはどれも妥協のない最高スペックを誇っています。値段は純正レンズに近い価格ですが、金額に見合う納得の描写力と所有欲を満たしてくれるはずです。