ここ数年で、英会話を学習する方法が多様化しました。
DMM英会話のようなオンラインで受講できるサービスや、フィリピンで格安語学留学などが流行りましたし、ライザップが英語学習の分野に進出してきたのも記憶に新しいです。(私も全て受講しました。)
そんな中、無料で英会話のレッスンがオフラインで受けられるサービスがあることをご存知でしょうか。
にわかには信じられないと思いますが、実在するのです。
それがGoeigoというサービス。
オフラインで外国人講師から英語のレッスンが無料で受けられるという破格のサービスです。
実は私は2年前からこのGoeigoの存在は知っていました。
無料で英会話ということですぐに飛びつきたくなりましたが、ネット上の評判をみると、
「Goeigoは危険!」とか、「宗教に勧誘される!」
と、様々な噂が飛び交っています。(その理由については後述します。) 普段もそんなに評判にもなりませんしね。
そんなこともあり、これまで一度も試す機会はなかったのですが、訳あって無料レッスンに参加してくることになりました。
以前電車で知り合ったモルモン教の宣教師の方が教会で個人レッスンをしてくれるそうです。
友達(モルモン)も連れていく との事。
なんて優しいんだ。(白目)
— めっしー@ASMRブロガー (@asmr_messii) 2018年2月17日
今回は、Goeigoの評判や実態について、受講してきた感想も踏まえて説明していきたいと思います。
Goeigoとは?危険なの?
Goeigoは、末日聖徒イエス・キリスト教会により運営されている英会話教室です。
末日聖徒イエス・キリスト教会とかなり長い呼称のため、一般的にはその聖典の名前から、モルモン教と呼ばれています。
企業や個人が運営しているのではなく、宗教団体が運営していることから、
「宗教に勧誘されるのではないか」
「危険な思想の団体なのではないか」
などと思う人が多いわけです。普通の感性を持つ人間であれば、疑うのは当然だと思います。
しかし結論から言うと、モルモン教は危なくないですし、無理やり宗教に勧誘されることもありません。
※ただし、英語を学ぶという目的だけであれば。
そもそもモルモン教とは?
モルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)は、1830年にジョセフ・スミス・ジュニアによって創設されたキリスト教系の新興宗教です。
キリスト教と一口に言っても、様々な宗派があることは歴史を学んだことがある方ならわかると思います。
キリスト教の宗派を大きく二つに分けると、カトリックとプロテスタントに分別できます。
・プロテスタント・・・聖書の教えを重んじる宗派、教義や決まり事は教派によって異なる。
多くの辞典では、モルモン教はプロテスタントとして記述されていますが、厳密に言うとプロテスタントでもなければキリスト教でもありません。
ネット上では、モルモン教はカルト教だ! などと根も葉もないことが並べられていますが、そのルーツや目指していることを調べればそれらの書き込みが嘘であることはわかります。
なんで無料なの?
英会話レッスンといえば、オンラインで受けれるサービスが主流になってきましたが、安くても月5,000円はします。オフラインなら数万~数十万円です。
英語の教室の運営には講師の人件費の他、テキストも必要ですし、消耗品や賃貸など様々な経費がかかります。
生徒からお金を徴収しないのに、これらのお金をどこから賄っているのでしょうか。
英会話教室は教会のボランティア
Goeigoのサービスが無料なのは、講師がボランティアの一環として参加しているからだといいます。
モルモン教において、宣教師は18~20歳までの期間、学業などを休んで奉仕活動に専念しなければいけないと決められています。
その奉仕活動の一環として、無料英会話教室Goeigoが開講されており、教会からの資金的バックアップでサービスが成り立っているとのことでした。
英語の講師の他にも、地域のゴミ拾いや老人センターへの訪問など、ボランティアの取り組みの形は様々のようです。
話を聞いたところ、サービスを通して宣教師にお金が与えられることはなく、むしろ滞在費などを自分で捻出することのほうが多いそうです。
では、そもそも教会は運営の経費をどのようにマネタイズしているのでしょうか?
厳しすぎる?モルモン教の教義に秘密があった
モルモン教の教えを調べると、少しづつモルモン教の違和感に気がつきました。
モルモン教の掲げる教義を幾つか紹介します。
- コーヒー・お酒の禁止
- 婚約前の性交・自慰行為の禁止
- 安息日での食事・娯楽の禁止
- 収入の10分の1の納入義務
教義というより、禁止事項を羅列した戒律に近い気がします。
どれも地味に辛いものばかりですが、全収入の10分の1の納付ってかなりの額ですよね。
年収500万なら年に50万、月々4万前後の支払いが義務付けられているような計算になります。
信者が募るほどお金が集まる仕組みなんですね。
信者からの納付金のおかげで、こうした無料英会話教室が開講でき、ボランティアという体裁で、新たな信者を募る目的があるのでしょう。
危険なのではと評判が広まるのも何となくわかる気がします。
レッスンの感想:宗教に勧誘される?
前置きがかなり長くなりましたが、実際にレッスンを受けてきた感想です。
Goeigoの教室は全国各地にあります。団体レッスンは週に1度、個人や家族単位でレッスンをしてくれることもあります。
初級者〜上級者のレベルに分けられており、好きなクラスに参加できます。教室によってはTOEICの対策クラスなんかもあるみたいですね。
ちなみに予約なしのドタ参OKです。というか、予約のフォームはHPにもありません。
教室の外観。怪しい
団体レッスンは通常夜の7時以降に行われます。
子持ちの家庭をターゲットにしているのでしょうか。てかちょっと不気味すぎる。この看板を見て惹かれる人はいるのだろうか……。
教室に到着すると、中から2人の外国人がお出迎え。
ようこそよく来たね!
トモダチ。
真面目そうな若い青年です。やたら明るい。ようこそようこそ!よく来たねブラザー!みたいな感じ。カジュアルオフィスな服装で、宣教師っぽさは一切しません。
さすがに教室の中でシャッターは押せませんでしたが、中は普通の貸しオフィスみたいな感じです。壁に神様っぽい宗教画が飾られたりしてますが、邪悪な感じは一切しません。
広さ10畳くらいの教室が3つあり、レベルに合わせてクラスが分けられ授業が行われます。
神奈川の田舎町にある教会のため、都市部に比べて規模はかなり小さいみたいですね。
参加者は毎回10人程度のようです。(都市部はこの5~10倍くらいの規模らしい)
肝心の英語のレッスンの評価・評判は?
僕は日本の英語教室や海外の語学学校、オンライン英会話など、様々な場で外国人から英語のレッスンを受ける機会がありました。
その経験を踏まえて授業の内容を評価させていただきます。
英語を学ぶ場としては、微妙というのが正直な感想です。
必ずしも「ネイティブ」が語学を教えられるとは限りません。他人に何かを教えるには、その知識を体系化して伝える必要があるからです。
どんなに優秀で語学に精通していたとしても、講師として経験が浅いと、非ネイティブがつまずきやすいポイントを押さえられないと感じます。
もちろん講師によって教え方や知識のバックグラウンドは異なるため、一概に講師を評価することは出来ないんですけどね。
しかしながら、Goeigoは18-20歳の宣教師がボランティアとして語学を教えていることを考えると、授業の質に期待をするのはあまり出来ないと言えるでしょう。
レッスンの内容はどんな感じ?
普段の授業では専用のテキストを使い行われます。
Goeigoで使われる参考書は、語学学校でよく見かけるタイプの参考書。グラマーやボキャブラリー、リーディングがまとめてあり、各自コピーして用意することになります。
授業の進め方は特別工夫されているわけでもなく、ただテキストをなぞるだけの授業でした。教科書に書いてあることを復唱して終わり。
講師によって異なるとは思いますが、なかなか退屈です。フリートークの方がよっぽどタメになるだろう……。
前述した通り、講師はボランティアとして派遣された18-20歳の宣教師です。英語の講師として教育されてきたわけでもないので、教え方がぎこちないのが仕方がないことなのかな、と感じます。無料だし贅沢は言えませんね。
授業で新たに知識をインプットするというよりは、英語を話す場所として完全にアウトプットの機会として利用した方がいいと思いますね。
英語を実践で話す場としては良いのではないでしょうか。
ちなみにですが、英語をインプットする方法としては、オンライン英会話のサービスを利用するのが一番リーズナブルでおすすめです。
特に筆者がおすすめするのが、留学事業を推進しているEnglish Firstの提供するイングリッシュライブ。
筆者も最近知ったサービスですが、月額8,100円(税別)でネイティブ教師(イギリスやアメリカ)から毎日レッスンを受けられるという破格のサービスです。
DMMなどの英会話サービスを2年ほど利用していましたが、圧倒的にこちらが良いですね。一週間は無料で利用できるため、ぜひ試してみる価値はあるでしょう。
こういったサービスでインプットした英語を、goeigoの教室で実践的に使ってみるのが理想的ではないでしょうか。
宗教に勧誘される…?
宗教の勧誘ですが、おそらくされると思います。(されました)
ただ、いきなり初回の授業からガツガツ宗教について説明されるというよりは、回を重ねるごとに少しづつ聖書の教えを習う形になります。
“宿題”と題され、モルモン書の一部分を読んでくるようにも言われます。
こちら、無料でプレゼントされたモルモン書。
写真ではわかりづらいですが、広辞苑くらいの厚みがあります。
宣教師に気に入られたのか、私は個別にモルモン教についての映像や資料を見せられました。
「日曜日に礼拝しにきてくれ、絶対気にいるから」。(めちゃめちゃフレンドリー)
なんとなく断りづらいのも確かです。「返報性の原理」にうまくつけ込んできてる感じはします。
ただ、断ったからといって、英語のレッスンに出席できなくなるわけでもないですし、危害を加えられることはありません。事実、英会話レッスンに来ている方の半数は無宗教者です。
「宗教に入信するつもりはなくて、英語を学びに来ているだけなんですよね、でもイエス大好き!」と、きっぱりと断れるのが一番スマートですね。
ただ、断る際は、モルモンを批判するような態度は取らないように気をつけてください。
まとめ
Goeigoの評判についてまとめてみました。
モルモン教の宣教師の奉仕活動として運営されているため、私たちは無料で英語のレッスンを受けられるわけなんですね。
私自身3回ほど教室に足を運び、講師の方にモルモン教について様々な質問をしましたが、宗教自体は危険な思想を抱いているわけでもないですし、ネット上で言われてるカルト教のイメージとは違います。フレンドリーで楽しい方が多かったです。
授業の内容は正直、お金を払って受ける語学学校の質より劣りますが、純粋に英語を話す機会としては良いんじゃないかな、と思います。ネットの評判はあまりアテにならないですね。行ってみると意外に楽しめますよ。
Goeigoの教室は全国各地にあるので、気になった方はGoeigoのHPから教室を探してみてください。
ではでは。