一眼レフで写真を撮影するとき、なんだか見慣れない記号や数値が出てきませんでしたか?今回はその中でも重要なものの一つであるF値について解説していきます。
このF値を操作することで写真の印象をガラッと変え、腕が上達するので是非身につけておきましょう。
F値(絞り)とは?
F値(絞り値)とは、光が通る穴の大きさを数値化したものです。
レンズによってその数値を変えることができ、一般的にF1.4、F2.0、F8.0など、F〇〇という値で表現されます。
この数値を変えることによって、光が通る穴の大きさを大きくしたり小さくしたりすることができるのです。
F値の設定を調節すると写真はどう変化するのか
それではこのF値を変化させることによって、写真がどのように変わるのでしょうか。大きく分けてボケ具合、光の量の2つが変わります。
ボケ具合
F値を操作して一番大きく変わるのがボケ具合です。
F値が小さければ小さいほどボケが大きく、F値が大きければ大きいほどボケが小さくなります。
実際に写真を見てみましょう。
上の写真は、撮影したレンズの中で一番小さいF値であるF2.0で撮影された写真です。
背景の遊具がハッキリとボケているのがわかると思います。
次の写真を見ていきましょう。
この写真はF4.0で撮影した写真です。
F2.0で撮影した写真よりも、背景の遊具が少しハッキリして見えますね。ただまだ大きくボケています。
この写真はF8.0で撮影しました。
ここまでF値を上げると背景がかなりハッキリとして来ましたね。木や鉄棒がどこにあるのかが分かりやすくなりました。
ちなみに、これ以上F値を大きくすると回折現象というものが発生して写真の解像度が落ちてしまうので、一般的にはF値を8〜11より大きくすることはあまりありません。
最後に絞り値が最大のF16で撮影した写真です。
背景の葉っぱの一枚一枚が確認できるほどくっきりと写っているのがわかると思います。
光の量
もう一つは、センサーが受け取る光の量です。
この画像をご覧ください。
まずF値を大きくことを絞る。F値を小さくすることを開くと表現します。またF値を約1.4倍に大きくすることをF値を1段階絞る、F値を約0.7倍に小さくすることを1段階開くと言います。
図の例で説明するとF4からF5.6にするのが1段階絞る、F5.6からF4にするのが1段階開くです。ここで光の量の話になりますが、図にあるようにF値を1段階開くと光が通る円の半径が1.4倍になり、面積は2倍になります。そのためセンサーが受け取る光の量が2倍になり、写真も明るくなるのです。
反対にF値を1段階絞るとセンサーが受け取る光の量は半分になり、写真も暗くなります。
このようにF値を操作することによって、写真の明るさを変えることができるのです。もっともこの話は少し複雑なので、最初はF値を小さくしたら写真が明るくなる、F値を大きくしたら写真が暗くなることだけ分かれば大丈夫です。
F値は状況によって調整しよう
ここまでF値を操作すると、写真の明るさやボケ具合が変わることをお話しました。
では、実際にどのような状況でF値を上げたり下げたりすれば良いのでしょうか。具体的なシーンをあげて説明します。
F値を上げた⽅が良い時
F値を上げた方が良いときは、写真の全域にピントを合わせたいときです。
特に風景写真は写真全域を細かく描画することが求められることが多いため、F値を上げて撮影することが多いです。
上の写真はF9で撮影したものです。手前から奥までしっかりとピントが合ってることが分かると思います。
F値を下げた⽅が良い時
逆にF値を下げたほうが良いときは、ボケのある写真を撮りたい時や明るさが必要なときです。
撮りたい対象が定まっている物撮りや動物、また夜間の撮影で明るさを稼ぎたいときにF値を下げると良いでしょう。
この写真はF2で撮影したきつねの写真です。周りをぼかしたことによってよりきつねの存在感が際立っていることが分かると思います。
こちらもF2で撮影した星の写真です。夜の撮影はかなり明るさを必要とするため、F値をなるべく小さくすることで明るさを確保し、星もしっかりと撮影することができました。
絞り優先モードで撮影してみよう 感覚を掴むために絞り優先モードで撮影を推奨
以上のように、F値を大きくしたり小さくすることで写真の表現の幅が大きく広がることがわかったと思います。
しかしカメラは他にもシャッタースピードやISO感度などの複雑な値があり、どう設定すれば良いのかイマイチわからないですよね。
そこで使ってほしいのが絞り優先モード。これはF値を設定すれば後の値はカメラが自動で設定してくれるという非常に便利なモードで、明るさなどを気にしなくていいので初心者でも簡単に使いこなすことができます。
ちなみに筆者も一番使用しているのがこの絞り優先モードです。設定の仕方も簡単で、多くの場合はカメラ上部のダイヤルで絞り優先モードに設定するだけで完了です。
あとは絞りの値を動かして撮影するだけで、簡単に思い通りの写真が撮れますよ。
まとめ
F値は写真の表現をするためには非常に重要な要素です。
最初は複雑かもしれませんが、慣れてくればボケがきれいな写真や一面にピントが合った写真など、様々なスタイルで写真を撮影することができるので、絞り優先モードを使ってF値の感覚を掴んでみましょう。