突然ですが、動画編集者の未来は明るくありません。
僕は新卒から3年間、映像業界でプロデューサー・ディレクターとして活動していますが、考えれば考えるほど、この仕事はあまり明るくないなあ、と感じてしまいます。
動画編集で一発当てる!
映像業界盛り上がってるから動画でメシを食っていく!
そう考えている方は、悪いことは言わないのでやめておいた方がよいです。(マジで)
今回は映像クリエイター・動画編集者として活動していきたいと考えている方に、動画編集の将来性について考察を述べていきたいと思います。
結論:動画編集者は稼げなくなる
いきなり暗い話ですが、動画編集者は今後稼げなくなります。
というより、稼げる人と稼げない人の二極化がさらにはっきりします。
既にこの事象は起きていることですが、短期的(3~5年)の間には二極化が進み、長期的(10年後)には動画編集者として稼げる人はほんの一握りになっているはずです。
その理由について解説します。
ライバルの多様化
動画編集が副業として注目されたこともあり、ここ2~3年で新規参入者が一気に増えました。
Twitterで検索すれば腐る程出てきますが、主にYouTube編集で月に数十万稼いでいる人が結構見受けられます。
社会人もいれば大学生、さらには中高生まで参入しています。
動画編集は難易度が低いので参入障壁は低いです。編集ツールも多様化しており、今後も動画編集にチャレンジする人は増えていくと思います。
案件の単価が下がりつつある
動画編集が増えていることもあり、編集案件の単価も下がりつつあります。
クラウドワークスやランサーズを参考にすると、YouTubeの動画編集1件あたりの平均は5,000円程度。ぶっちゃけこれ、安すぎます。(笑)
YouTube動画の編集者はものによりますが、素材のカット・テロップ入れ・BGM挿入・サムネ作成など、早く見積もっても6時間は確実にかかります。時給換算すれば1,000円下回るのは確実です。
もちろん、1本5,000円は極端に安いですが、業界全体をみても編集のみの案件相場は徐々に低くなっています。
動画編集者が増えてきている&安くても受ける人がいるため、今後も相場は低くなっていくと考えられます。
編集ツールの進化
ここ1-2年で動画編集ツールが劇的に進化しました。特に、音声認識&テロップ自動生成の精度が格段に向上したことで、これまで多かった単純なテロップ入れ作業の案件は絶滅します。ほんとに一瞬で終わるんですよ、今テロップ入れって。
VrewやTrascといった文字起こしツール、そしてPremiere Proにも自動文字起こし機能が追加され、いずれもめっちゃ高い精度です。
また、頻出のエフェクト(画面のトランジションなど)も標準で実装されたりと、編集ツールが進化したことで誰でも高いクオリティでできるようになりました。
つまり、誰でもそれなりの動画を作れるようになっているんですよね。
そのため、テロップ入れなどの簡易的な編集は今後確実に稼げなくなりますし、案件単価が下がるのは不可避でしょう。
そもそも動画編集は肉体労働である
「動画編集で一攫千金!」と鼻息荒くしている人には悲報ですが、そもそも動画編集者は大きく稼げません。
編集者は「肉体労働」だからです。編集という肉体作業を作業をお金に変えているので、稼げる額には限界があります。
誇大広告に惑わされ、「動画編集者は稼げる!」という幻想を持っている方は一度捨てた方が良いです。動画編集は泥臭い作業ですし、そこまで稼げません。
就職してもそれほど高給は見込めない
就職してエディター・ディレクターになったとしても高給は見込めません。せいぜい400~500万円がいいところです。
高給が見込めないのは上記の通り、動画制作は「肉体労働」だからです。webサービスのようにレバレッジが効かないので、仕組み化して大きく稼ぐのが出来ないのです。そのため業界的にも給料は頭打ちがあります。
好きで仕事にしている人が多いですが、現実は厳しいです。
動画編集者として生き残るにはどうしたら良いのか?
今後10年も動画編集者として生き残るには、編集ツールに代替されない武器が必要です。
企画・構成力が重要になる
企画力・構成力が今後さらに重要になってきます。
つまり、ただ言われた通りに手を動かす編集者は淘汰され、より上のレイヤーから携わることのできる編集者が生き残る、ということです。
どのように動画をターゲットに訴求するか、動画のストーリーまで作れる人は重宝されます。
例えば、クライアントがイベントのPR動画を作りたいとしましょう。この場合、動画を作る目的は「イベントの認知拡大」です。さらにそのイベントはターゲットも決まっているはずですよね。(20代の男性など) どういった演出で、
そうなった場合に、20代の男性に刺さる企画を考え提案・構成にまで落とし込み、撮影から編集までフルスタックで担当できる人は最強です。
とはいえ、企画力や構成力を身に着けるのはなかなか難しいです。筆者もまだまだですが、こればかりは「経験」以外からは学べないと思っています。
芸能人のYouTubeチャンネルを見て企画を分析したり、自分のYouTubeチャンネルを立ち上げるなど、身近なことで発想力を鍛えていくのがおすすめです。
ちなみに、書籍だとこの本はなかなかおすすめです。テレビ業界では知らない人のいない水ダウのディレクター、藤井健太郎さん執筆の1冊です。
マーケティングスキルは必須
上記と関連しますが、マーケティングスキルも必須になってきます。
販促の動画であれば、「どんな文言がユーザーの購買意欲に繋がるか」なども考える必要がありますし、YouTube動画であればタイトルの付け方もキャッチーでなければいけません。動画編集にもコピーライティング力が重要になってきます。
また、YouTubeチャンネルの運用やグロースには、YouTubeのアナリティクスやアルゴリズムの理解が必要不可欠です。
動画は「課題」を解決するためのツールです。動画の作り手が課題を解決するための術を知らずして、良い動画が作れるはずがありませんよね。
コピーライティング力ならこちらの本がおすすめです。この本一冊にコピーライティングのエッセンスが全て詰まっています。
本気で動画クリエイターを目指したい方は、デジタルハリウッド×LIGが提供する、ネット動画クリエイター専攻がおすすめです。動画編集だけでなく、マーケティングスキルまで幅広く学ぶことができます。興味がある方は無料の説明会に参加してみるのをおすすめします。
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YouTubeアナリティクスについては今後記事を執筆したいと思います。
まとめ
というわけで、動画編集者の将来性について考察をしてみました。なかなか悲観的に書きましたが、やはり将来的には中途半端なスキルの編集者は淘汰されていくはずです。
少しずつ、着実に力を身につけていきましょう。僕も頑張ります。
ちなみに、動画の学習方法などはこちらの記事でまとめているのでよければ参考にしてください。